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関西学院事典(増補改訂版)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]

社会学部校舎

 関西学院創立70周年の1960年に社会学部が開設された際、上ケ原キャンパス北西部に社会学部校舎が新築された。
鉄筋コンクリート造3階建てのこの建物は、ヴォーリズ建築事務所の設計によるものではあったが、それまで上ケ原キャンパスの基調とされてきたスパニッシュ・ミッション・スタイルとは異なり、同時期に開設された理学部の校舎とともに直線性をベースとした近代的なデザインであり、学院における新しい学問分野のスタートを象徴するものであった。
99年の社会福祉学科開設の際には、内部の大規模な改装が行われた。

 その後、建物の劣化と狭隘化、また機能面での不十分さのゆえに、「西宮上ケ原キャンパス北西部整備計画」の一環として校舎建替えが行われた。
この開発計画は、社会学部校舎建替えの他にも、第1教授研究館建替え、全学共用教室・ラウンジ棟(H号館)建設をキャンパス北西部土地利用において同時に実現させるものであり、2009年12月から始まった4年余りの工期全体の中で、社会学部校舎建替え工事は11年3月から14年2月までの3年間に2期にわたって実施された。

 まず、第1教授研究館が元硬式テニスコートに新築移転し元の建物が解体された後、2011年3月に社会学部校舎1期工事が開始された。
1期工事が完成し旧社会学部校舎が解体された後、12年秋から社会学部校舎2期工事、およびH号館の工事が行われ、14年2月末にすべてが完成し3月に竣工した。

 社会学部校舎とH号館は同じ場所に建てられ、建物群全体のデザインには、スパニッシュ・ミッション・スタイルが用いられた。
こうして、かつての社会学部の近代的な外観からキャンパスの他の建物群と調和のとれたものへと変貌したのである。
社会学部校舎とH号館の間には、建物群をつなぐシンボリックな空間としてのギャラリー(回廊)が設けられた。
なお、これらの建物群の設計に当たっては、中央芝生からの景観を重視し、時計台より大きく見えないことなどに配慮がなされた。

 校舎内部には、座席を半円形に配置した劇場型の大教室をはじめ、中教室、小教室、PC教室、院生室、事務室、会議室などが配置されると共に、専門教育の充実のために社会調査実習室、社会心理実験室、セミナールームなどが設けられ、ピアエデュケーションとアクティブラーニング促進の拠点として共同学習室が設置された。
また、旧校舎ではチャペル室が大教室と兼用であったが、新校舎では木彫り仕上げ内装の落ち着いた雰囲気のチャペル専用室が設けられた。

 社会学部校舎とH号館を合わせた建物規模は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、地下1階、地上3階建てで、延床面積11,728.54㎡。
建物の設計・監理は日本設計、施工は竹中工務店。

【参照】Ⅱ 222
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