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インクルーシブ・コミュニティ構築

関西学院では、ダイバーシティ(多様性)を力とする「垣根なき共同体」を目指して様々な取り組みを行っています。

インクルーシブ・コミュニティ宣言

インクルーシブ・コミュニティ

関西学院は、ダイバーシティ(多様性)を力とする「垣根なき共同体」を目指して、2010年9月に「インクルーシブ・コミュニティ宣言-インクルーシブ・コミュニティ構築に向けて」(2014年3月改訂)を制定しました。 その中で、関西学院というコミュニティに集うすべての者(学生・生徒・児童・園児・教員・職員・同窓・その家族)が、コミュニティ内の性別、年齢はもとより、国籍、人種、民族、出生地、主たる言語、宗教・信仰、身体的・精神的特徴、そしてセクシュアリティといった違いを尊び、それぞれの能力を発揮できる環境づくりに向けて努力していくことを宣言しています。

インクルーシブ・コミュニティ宣言―インクルーシブ・コミュニティ構築に向けて

2014年3月6日
関西学院院長 Ruth M.Grubel

前文

関西学院はミッションステートメントに基づいて、すべてのキャンパス(西宮上ケ原、神戸三田、西宮聖和、千里国際、宝塚、大阪梅田、東京丸の内)に、「多様性を力とする垣根なき共同体」、すなわち「インクルーシブ・コミュニティ」を創出し、維持し、発展させることをめざしています。関西学院に育まれていくこのコミュニティが、地域社会から国際社会に至るまでのあらゆる社会の包摂力の向上に寄与していくことを確信し、ここに関西学院のすべての構成員に連帯と協力の呼びかけを行うものです。

本文

 ミッションステートメントにうたわれている「学びと探究の共同体」の実現とは、多様な個性や価値観、ライフスタイルを認め合い、すべての人にあらゆることにチャレンジする機会を提供する、公正で開かれた「インクルーシブ・コミュニティ」を創りだすことにあります。このコミュニティに集うすべての者-学生・生徒・児童・園児、教員、職員、同窓、およびその家族-は、性別、年齢はもとより、国籍、人種、民族、出身地、主たる言語、宗教・信仰、身体的・精神的特徴、セクシュアリティ、あるいは経験や知識、文化や学問的背景などを異にしています。
 関西学院は、こうした違いのあることを尊び、この「多様性(ダイバーシティ)」こそが私たちのコミュニティの強さであると信じています。その構成員の一部を排除するような社会は、個人の持つ力を抑圧する、もろくて弱い社会です。違いのある者同士が、互いに排除するのではなく、価値を認めあう環境を作ることは、コミュニティを構成する各個人がその内なる力を発揮することを意味しています。それによって関西学院の構成員が地域社会や国際社会に貢献していくための土台となっていくと考えます。
 関西学院は、その創設時から、キリスト教主義に基づいて人権に配慮し、広く人々を受け入れる「インクルーシブ・コミュニティ」をめざしてきました。今後も、このコミュニティを実現するために、多様性に富む人々が互いに尊重し合い、それぞれの能力を発揮できる環境作りに向けた努力が求められます。そのためには一人ひとりの意識の変革と積極的かつ持続的な取り組みが不可欠です。
 これからのち、私たちは、複雑で急激な時代の変化に立ち向かわねばなりません。関西学院のすべての構成員は、それぞれの学びの場において力をつけ、違いを認め合い、ダイナミックで生き生きとしたコミュニティを創りあげてくことで、地域社会から国際社会に至るまでの「インクルーシブ・コミュニティ」の構築に寄与していこうではありませんか。それこそが、スクールモットー「マスタリー・フォア・サービス」の体現となるのです。

【付記】
・この宣言の主旨を踏まえ関西学院の各学校、各部局の活動がなされることを願っています。
・この宣言の推進のために、インクルーシブ・コミュニティ促進委員会を設置し、啓発活動や情報提供を行っていきます。

基本方針と行動指針

関西学院は、インクルーシブ・コミュニティを実現するため、「インクルーシブ・コミュニティ実現のための基本方針と行動指針」を2020年4月1日に策定しました。

Ⅰ.基本方針

インクルーシブ・コミュニティ宣言の基本理念に従い、その実現の指針となる5つの基本方針を定める。

1.男女共同参画促進
関西学院のすべての活動において、ジェンダー(社会的・文化的な性差)を考慮しながら、男女共同参画を促進する。

2.性的指向や性自認の多様性(SOGIの多様性)の尊重
性的指向(Sexual Orientation)や性自認(Gender Identity)の多様性が尊重され、すべての構成員が教育・研究・服務の場において十分に能力を発揮できるような支援策を推進する。

3.障がいがある構成員支援の実施
学院内の関連部署や学外機関との密接な連携の下で、障がいのある構成員が、コミュニティの一員として尊重され、障がいがない構成員と同様に教育・研究・服務の場において十分に能力を発揮できるようなインクルーシブなコミュニティ作り実現を推進する。

4.文化的多様性の尊重
国籍・民族・言語などの文化的多様性が尊重され、すべての構成員が教育・研究・服務の場において十分に能力を発揮できるような支援策を推進する。

5.インクルーシブ・コミュニティ推進施策を着実に実施
インクルーシブ・コミュニティ構築という学院の方針を学院内外へ向けて明確に発信すると共に、インクルーシブ・コミュニティ推進施策を着実に実施する。

Ⅱ.基本方針の実施にあたって

1.本行動指針の対象となるのは、園児、児童、生徒、学生および教職員(非常勤含む)など関西学院のすべての構成員である。

2.学院内外の関係者・機関が連携・協力して、インクルーシブ・コミュニティの実現に取り組む。

3.多様性が尊重されないために修学や服務の妨げとなる事柄や状況が生じた際には、適切な制度に基づくプロセスによる合意形成を経て、合理的な範囲で係る事柄や状況を取り除く。

4.そのプロセスにおいては、多様性が尊重されないために修学や服務に関し困難な状況に置かれている構成員本人を交えて十分に話し合い、当該者の意向や選択などを尊重する。

5.多様性の尊重を学則などに明記するとともに、すべての構成員に周知・啓発する。

6.基本方針を実行性のあるものとするために、具体的な行動指針を以下に示す。
 

<具体的な行動指針>

1. インクルーシブ・コミュニティ推進施策を着実に実施するために

①学院内外の多様性尊重に関する情報を収集・調査し、多様性尊重に向けて広報・啓発活動、教育等を行う

②多様性の尊重に関する学問・研究の推進を図る。

③学院の構成員として学生や生徒等の参加協力を重視し、インクルーシブ・コミュニティ推進に関する発言、参画の機会を保障する。

④上記①~③を実施するために、学院のインクルーシブ・コミュニティ促進を統括する組織として、学院の責任のもとに「インクルーシブ・コミュニティ推進協議会」(以下、推進協議会)を設置する。

⑤推進協議会は、大学、短期大学、高等部、中学部、初等部、幼稚園、千里国際高等部・中等部、大阪インターナショナルスクールの各学校と学院のダイバーシティ推進本部、ハラスメント相談センター、大学の組織である総合支援センター、人権教育研究室など学院内関係部局と連携し、多様性の尊重に向けて協働する。

⑥推進協議会は、インクルーシブ・コミュニティ実現の推進状況や効果について分析評価し、その結果を学院内外に示すとともに、学院内関係部局にフィードバックして現状の改善を促す。


2.男女共同参画を促進するために
①関西学院の組織、意思決定プロセス、政策立案、予算等の作成と実施、評価などの全てのプロセスにおいて、男女共同参画の機会が確保されることをめざす。

②関西学院における教職員の男女の構成比をデータ(後述「3.性的指向や性自認の多様性の尊重」に配慮した上でのデータ)として定期的に公表する。男女の構成比に偏りがある場合には、是正するように努力する。

③教職員のワークライフバランス施策(産前産後休暇、育児休業、介護休業等)を明確にし、その利用促進を、各部署において図る。また、ワークライフバランス施策の利用状況のデータを定期的に公開する。

④生物学的な性差やジェンダー(社会的・文化的な性差)によって特定の構成員が不利益を被ることがある場合には、学院は必要に応じて相談機会や支援を提供し、改善をめざす。
 

3.性的指向や性自認の多様性(SOGIの多様性)を尊重するために
①自認する性に基づく通称名を学院内で使用することを認める。

②構成員本人が意図しない形で本人の性別情報が公表されることがないように、性別情報を含む個人情報は慎重に取り扱うとともに、必須の場合以外には性別に関する情報を収集しない。また、性別に関する情報を収集する必要がある場合には、本人の自認する性別を答えることが出来るように、回答欄を空欄(自由記述)にしたり、選択肢の中に「その他/答えたくない」などを含めたりするようにする。

③SOGI等に関する公表の自由を、個人の権利として保障する。

④これまで男女別という区分に基づいている、トイレや更衣室等の学院内施設、定期健康診断、体育実技などの授業において、SOGIの多様性にできるだけ配慮を行う。

⑤就職活動やインターンシップに関して多様なSOGIに配慮した相談を、学院内外の関連部署と連携して提供する。

⑥構成員の福利厚生の適用や、教室および職場における性別に基づく呼称の使用に関しても、SOGIの多様性にできるだけ配慮を行う。

⑦SOGIに関連した相談の対応者(総合支援センターやハラスメント相談センターなどの教職員)へ具体的な事例や対応について研修を行う。
 

4.障がいがある構成員支援を実施するために
①人事課や大学の総合支援センターなど学院内の関連部署や学外機関との密接な連携の下で適切な支援策を企画立案するため、障がいがある構成員に対して必要に応じて個別の実態調査やニーズ把握を行う。

②障がいがある構成員とその関係者(保護者・保証人や介助者等)とともに、支援のあり方について定期的に協議する場を設け、以下のことに取り組む。

 ⅰ大学においては「障がい学生支援に関する基本方針」と「障がい学生支援実施基準(ガイドライン)」に基づいて、着実に個別支援を実施すると同時に、課題があればその改善を図る。

 ⅱ大学以外においては、大学に準じた対応を可能とすると同時に、それぞれ独自の基本方針と実施基準を策定することをめざす。

 ⅲ教職員に対しても学生と同様の基本方針と実施基準を策定することをめざす。

③バリアフリー化、既存の建物や設備の改修、あるいは新しい建物や設備を導入するにあたっては、事前に相談する場を設ける。

④障がいがある構成員の多様性と独自の文化が尊重されるように、情報提供や交流機会の設定などを行う。
 

5.文化的多様性を尊重するために
①多様な文化的(国籍・民族・言語など)背景を持つ人たちによって、学院が構成されることをめざす。

②多様な文化的背景をもつ構成員について、それぞれの生活習慣や宗教的背景などを理解し、文化的多様性に配慮した環境改善をめざす。

③多様な文化的背景をもつ構成員について、必要に応じて、学院内関係部局が連携しつつ、言語に配慮した相談の機会や支援を提供する。

④キャンパスにおいて文化交流の場を設け、多様な構成員のあいだでの交流を積極的に行う。

⑤多様な文化的背景をもつ学生の就職活動やインターンシップ時の相談の機会や支援を、学院内関係部局が連携して提供する。
 

レインボーウィーク

関西学院大学では、2013年度より毎年IDAHOTの日(5月17日、世界130カ国以上で「多様な性」について考えるアクションや集まりが持たれている日)の近くの週に「関学レインボーウィーク」を開催しています。
ウィーク期間内のさまざまなイベントを通じて、誰にとってもいきやすい関西学院にむけてここに集う私たち一人ひとりが考える機会になることを願っています。

レインボーウィーク

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