メニュー

関西学院事典(増補改訂版)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]

千刈セミナーハウス

 1978年10月竣工、開館。
総延べ床面積4,172㎡、大講義室はじめ5つのセミナー室、チャペル、ラウンジなどを擁する宿泊研修施設。
宿泊定員は130名。
北摂のなだらかな山並みに抱かれ、滴る緑と鮮烈な川の流れの中に佇むこの研修道場は、都市の喧噪を離れて静かに自然に対する中で、自己を見つめ、自然と自己の根源である神に出会うという希求と祈りを込めて開設された。

 小集団教育、学術振興、生涯学習、国際交流の4つを大きな柱として今日まで学内外の多くの人々に利用されてきた。
関西学院の学生・生徒をはじめ、教職員やその家族、父母、同窓生さらに教会関係者や学会、他の教育研究機関、企業研修など幅広く社会各層の要望にも応えてきた。
開館以来今日までの利用者数は延べ28万名に及ぶ。

 その間、開館記念講演者として迎えたT.パーソンズ博士やJ.E.カーター元アメリカ大統領の来館、ランバス記念講座の講師として迎えたE.O.ライシャワー博士らを招いての講義・講演が行われた。
また、独自の企画「千刈セミナー」では西谷啓治、隅谷三喜男らを招いての研修が行われたほか、チャペルのパイプオルガンを利用した音楽コンサートも多く実施されてきた。

 セミナーハウスでは、その後企画委員会を再編し、従来の利用に加えて語学集中トレーニングや社会福祉の実習、海外諸大学との遠隔講義・交換、関西学院ならではの新しい生涯学習センターとしての機能をいっそう活性化し、来たるべき時代の多くのニーズと期待に応えようとしてきたが、建物の老朽化、エレベータなどの設備を付加することの困難さ、旧消防法の認可による防火仕様の不備などを勘案した結果、2005年10月をもって休館とし、14年3月をもって閉館となった。
なお、礼拝堂のパイプオルガンは06年神戸三田キャンパスのランバス記念礼拝堂へ、ステンドグラスは中央講堂(125周年記念講堂)に移設された。

【文献】『千刈セミナーハウスだより』(1)1979;『山辺に向いて我目をあぐ〈関西学院千刈セミナーハウス開館10周年記念誌〉』1988;『千刈セミナーハウス白書』1992;『千刈セミナーハウス開設20年の歩み』1998

千刈セミナーハウス

TOP