[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]
総合政策学部
【沿革】
総合政策学部は1995年4月、三田市に新校地として開設された神戸三田キャンパスにおいて関西学院大学の8番目の学部として設置された。
学部設置の基本構想として、21世紀に向けて関西学院大学のあるべき姿を模索する中で構想された「人間化の徹底」「実学化への志向」「総合化への努力」「情報化の徹底」「国際化の追求」という5つの基本原理の下に、「自然と人間の共生ならびに人間と人間の共生」を基本理念と定めた。
そのため、新設学部は「総合政策学部」(School of Policy Studies)の名の下に、エコロジー政策、都市政策、国際発展政策の3専攻コースを置き、教育研究では“Think globally. Act locally.”〈地球規模で考え、足元から行動を起こせ〉をモットーとした。
その基本的視座にはヒューマン・エコロジー(人間生態学)を据えて、既存の諸科学を総合的に組み合わせて理論と実践の学問的統合を図ることで、地球規模の問題解決に向けた政策立案を目指すこととした。
このような学部の設置理念を実現するため、多様な専攻分野からなる多彩な経歴を持つ教員を広く国内外から集めた。
開設当初は、46名の専任教員のうち20名が外国籍の教員であり、専攻分野も経済学、社会学、法学、政治学、理学、工学、言語学など、多様な分野で構成され、日本における環境経済学のパイオニアだった天野明弘教授が初代学部長に就任した。
入学定員は300名(帰国生徒30名、外国人留学生30名を含む)として、阪神・淡路大震災直後の1995年2月、既設学部と同様に一般入学試験A日程入試を実施、さらに3月には学部独自にB日程入試を行い、396名の新入生を迎え入れた。
完成年次を迎えた98年には、3年次編入50名を含む1,300名の収容定員の学部に全4学年の学生1,520名が在籍することになった。
総合政策学部では、これらの学生に対して、コミュニケーション能力を高めるため、英語教育と情報教育に力を注いだ。
特に英語教育では、外国人常勤講師からなる教員を中心に、専門領域のテーマについて英語でディスカッションができるように、独自の教育プログラムに基づく発信型英語教育の徹底を目指した。
第3年次からは少人数編成の演習を中心とする本格的な専門教育を開始した。
こうした学部教育の成果が広く社会的に注目を集めるなか、学部開設4年を経た1999年3月には、第1期卒業生354名が巣立っていった。
その後、1999年4月には大学院総合政策研究科を開設したほか、2002年4月にメディア情報学科を、さらに09年4月には国際政策学科と都市政策学科を開設した。
卒業生は、学部独自の同窓会を組織、毎年11月に開催される学部行事リサーチ・フェアにおいて在学生に仕事やキャリアを伝えるOB・OG企画を実施するなど、独創的な活動を展開している。
【現状】
〔学生〕入学定員580名(3年次編入50名)。
1年生521名、2年生541名、3年生646名、4年生685名の合計2,393名の学部学生(うち外国人留学生は109名)が在籍している(2014年5月1日現在)。
〔教職員〕教員は59名の専任教員と11名の外国人常勤講師を擁し、職員は専任職員7名、契約助手2名、嘱託職員1名、派遣職員3名、教務補佐4名、実験実習指導補佐6名、アルバイト職員4名で構成している(2014年5月1日現在)。
〔教育〕総合政策学部はアドミッション・ポリシーとして、「自然と人間の共生、人間と人間の共生」を基本理念として掲げ、地球社会の要請に応える人材育成を目指し、ヒューマン・エコロジーの学問的枠組を取り入れ、学際的・複合的なアプローチによって、世界で起きている諸問題の解決に取り組むことを目標としている。
現在のカリキュラムでは、入学生は1年間学科に所属せず、2年生に進級する時点で、志望などに基づいて所属学科を決定する。
1年次には、言語教育科目としてネイティブ・スピーカーの教員によるコミュニケーションを重視した英語の授業が週4回行われるほか、情報科目として「コンピュータ演習」が週1回行われる。
同時に基礎演習では、『基礎演習ハンドブック』によりリサーチ、プレゼンテーション、レポート、さらにディベートなどの基礎的スキルを身に付けることで、社会で活躍するための分析力・コミュニケーション力・プレゼンテーション力などを涵養する。
1年生はさらに、各学科の専門的な内容を紹介する学科入門科目や、専攻科目基礎(自然科学系、公共政策・社会科学系、言語・文化系、メディア情報系、都市政策系、国際政策系など)を履修することで、各自の学習目標と進路について熟慮して、1年次の終わりに学科を選定する。
2年次からは4学科に分属し、現代社会の諸課題に積極的に取り組むことで、それぞれの専門性を深め、政策立案の能力を養う。
特に3、4年次では研究演習・メディア工房を中心に、教員との議論や実践的なフィールドワークを通して専門性を深めることとしている。
総合政策学科では、環境政策・公共政策・言語文化政策の3フィールドで、それぞれ現実の政策に応用するための専門知識・技能などを習得する。
メディア情報学科では、人間を中心に据えた情報技術や社会の在り方を総合的に考え、情報社会政策やメディア・IT技術に関する知識・技能を習得する。
国際政策学科では、国際機関や多国籍企業などグローバルレベルで活躍できる人材の育成を目標に、調査・分析・政策立案などに用いる知識・技能を習得する。
都市政策学科では、快適で安全な都市の実現を目指し、建築・設計技術や都市経営政策などに関する知識・技能を習得する。
いずれの学科においても、専門的な研究・教育経験を持つ教員と多様な実務経験を持つ教員の連携によって、学生に問題発見能力と問題解決能力を身に付けさせることを目標としている。
このような教育方針に基づき、学部開設以来、学生には自ら積極的に課題に取り組むアクティブ・ラーニングが浸透している。
2013年4月に神戸三田キャンパスに完成したAcademic Commons(アカデミックコモンズ)はそうしたアクティブ・ラーニングのためのスペースを提供する施設であるが、学生による活発な利用が期待される。
また、多数の学生が在学中に本学の国際教育プログラムを用いて、さまざまな形で留学しているのも特徴的である。
13年度に36名が3カ月以上の留学を、60名が3カ月未満の留学を経験した。
このほかにも、自主的に休学して海外研修を体験する学生も多い。
このような教育理念を実現するために、総合政策学部では多様な入学者選抜の方法を採用し、さまざまな能力・経験と適性を有した学生を受け入れている。
従って、高校での各教科の幅広い学びを期待するとともに、世界の諸問題解決にチャレンジしようとする国際的な展望を持つ人材を求め、一般入試では英語に高い配点を設定している。
〔学生活動〕総合政策学部の学生の活動は活発である。
毎年恒例になっている優秀論文賞(小島賞・安保賞)には優れた内容のものが多い。
また、1998年度から開催されているリサーチ・フェアは学生の研究発表の場として、総合政策学部の学生にとどまらず全学にもオープンにしているほか、99年度からは大学院生も加わり、質量ともレベルの高いものになっている。
現在はさらに他大学や地域の高校生にも門戸を広げて、より幅広い活動を目指している。
さらに、CSI(Computer Student Instructor)やLA(Learning Assistant)、そしてSCS(Student and Campus Supporter)などの学生有志の正課授業や学部行事へのサポートも本学部独自の制度として、学生の自主性、相互扶助の精神を表すものとなっている。
視聴覚・身体などに障がいのある学生への修学支援についても、2000年代前半から積極的に取り組み、ノートテイカー制度の関西学院大学内での整備をリードしてきた。
このほか、東日本大震災の被災地支援や各地のまちづくり実践活動への参加も活発である。
〔研究活動〕総合政策学部研究会を組織して、教員などの研究成果の発表の場として Journal of Policy Studiesを発行し、1995年から2014年4月現在まで45号を発行している。
さらに大学院生の発表の場としてKGPS Review(院生論文集)を発行し、02年から14年4月現在まで20号を発行している。
これまでに総合政策学部として発行した書籍には『国際連合の基礎知識』(2009)、関西学院大学総合政策学部教育研究叢書1『総合政策のニューフロンティア』(2010)、同2『グローバル社会の国際政策』(2011)、同3『人・社会・自然のための情報とメディア』(2012)、KGりぶれっと21『ボーダーをなくすために~視聴覚に障害がある学生への学習支援~』(2008)、同23『基礎演習ハンドブック』(2009)、同27『卒業生が語る総合政策』(2011)、同32『日本の常識、世界の非常識』(2013)などがある。
〔研究科〕1999年度には、大学院総合政策研究科修士課程を入学定員50名で開設した。
2001年度に博士課程後期課程を入学定員5名で開設した。
さらに、より開かれた大学院を目指して、リサーチ・コンソーシアムの名の下に企業・研究所をはじめ官公庁、その他の機関との間で産官学パートナーシップの確立、推進を期して、研究協力および人的交流に向けたネットワークの構築を図っている。
2年目の2000年度には学院創立111周年記念事業として、5月にリサーチ・コンソーシアム総会を開催した。
その後、毎年5月に総会記念事業として開催しているが、13年5月には第15回として、理工学部と共催して「政策学の新たな可能性を求めて~Solution for the future~:先進エネルギー技術と持続可能社会」というタイトルで、講演・シンポジウム・ポスター発表などを実施した。
【参照】Ⅱ 570
総合政策学部は1995年4月、三田市に新校地として開設された神戸三田キャンパスにおいて関西学院大学の8番目の学部として設置された。
学部設置の基本構想として、21世紀に向けて関西学院大学のあるべき姿を模索する中で構想された「人間化の徹底」「実学化への志向」「総合化への努力」「情報化の徹底」「国際化の追求」という5つの基本原理の下に、「自然と人間の共生ならびに人間と人間の共生」を基本理念と定めた。
そのため、新設学部は「総合政策学部」(School of Policy Studies)の名の下に、エコロジー政策、都市政策、国際発展政策の3専攻コースを置き、教育研究では“Think globally. Act locally.”〈地球規模で考え、足元から行動を起こせ〉をモットーとした。
その基本的視座にはヒューマン・エコロジー(人間生態学)を据えて、既存の諸科学を総合的に組み合わせて理論と実践の学問的統合を図ることで、地球規模の問題解決に向けた政策立案を目指すこととした。
このような学部の設置理念を実現するため、多様な専攻分野からなる多彩な経歴を持つ教員を広く国内外から集めた。
開設当初は、46名の専任教員のうち20名が外国籍の教員であり、専攻分野も経済学、社会学、法学、政治学、理学、工学、言語学など、多様な分野で構成され、日本における環境経済学のパイオニアだった天野明弘教授が初代学部長に就任した。
入学定員は300名(帰国生徒30名、外国人留学生30名を含む)として、阪神・淡路大震災直後の1995年2月、既設学部と同様に一般入学試験A日程入試を実施、さらに3月には学部独自にB日程入試を行い、396名の新入生を迎え入れた。
完成年次を迎えた98年には、3年次編入50名を含む1,300名の収容定員の学部に全4学年の学生1,520名が在籍することになった。
総合政策学部では、これらの学生に対して、コミュニケーション能力を高めるため、英語教育と情報教育に力を注いだ。
特に英語教育では、外国人常勤講師からなる教員を中心に、専門領域のテーマについて英語でディスカッションができるように、独自の教育プログラムに基づく発信型英語教育の徹底を目指した。
第3年次からは少人数編成の演習を中心とする本格的な専門教育を開始した。
こうした学部教育の成果が広く社会的に注目を集めるなか、学部開設4年を経た1999年3月には、第1期卒業生354名が巣立っていった。
その後、1999年4月には大学院総合政策研究科を開設したほか、2002年4月にメディア情報学科を、さらに09年4月には国際政策学科と都市政策学科を開設した。
卒業生は、学部独自の同窓会を組織、毎年11月に開催される学部行事リサーチ・フェアにおいて在学生に仕事やキャリアを伝えるOB・OG企画を実施するなど、独創的な活動を展開している。
【現状】
〔学生〕入学定員580名(3年次編入50名)。
1年生521名、2年生541名、3年生646名、4年生685名の合計2,393名の学部学生(うち外国人留学生は109名)が在籍している(2014年5月1日現在)。
〔教職員〕教員は59名の専任教員と11名の外国人常勤講師を擁し、職員は専任職員7名、契約助手2名、嘱託職員1名、派遣職員3名、教務補佐4名、実験実習指導補佐6名、アルバイト職員4名で構成している(2014年5月1日現在)。
〔教育〕総合政策学部はアドミッション・ポリシーとして、「自然と人間の共生、人間と人間の共生」を基本理念として掲げ、地球社会の要請に応える人材育成を目指し、ヒューマン・エコロジーの学問的枠組を取り入れ、学際的・複合的なアプローチによって、世界で起きている諸問題の解決に取り組むことを目標としている。
現在のカリキュラムでは、入学生は1年間学科に所属せず、2年生に進級する時点で、志望などに基づいて所属学科を決定する。
1年次には、言語教育科目としてネイティブ・スピーカーの教員によるコミュニケーションを重視した英語の授業が週4回行われるほか、情報科目として「コンピュータ演習」が週1回行われる。
同時に基礎演習では、『基礎演習ハンドブック』によりリサーチ、プレゼンテーション、レポート、さらにディベートなどの基礎的スキルを身に付けることで、社会で活躍するための分析力・コミュニケーション力・プレゼンテーション力などを涵養する。
1年生はさらに、各学科の専門的な内容を紹介する学科入門科目や、専攻科目基礎(自然科学系、公共政策・社会科学系、言語・文化系、メディア情報系、都市政策系、国際政策系など)を履修することで、各自の学習目標と進路について熟慮して、1年次の終わりに学科を選定する。
2年次からは4学科に分属し、現代社会の諸課題に積極的に取り組むことで、それぞれの専門性を深め、政策立案の能力を養う。
特に3、4年次では研究演習・メディア工房を中心に、教員との議論や実践的なフィールドワークを通して専門性を深めることとしている。
総合政策学科では、環境政策・公共政策・言語文化政策の3フィールドで、それぞれ現実の政策に応用するための専門知識・技能などを習得する。
メディア情報学科では、人間を中心に据えた情報技術や社会の在り方を総合的に考え、情報社会政策やメディア・IT技術に関する知識・技能を習得する。
国際政策学科では、国際機関や多国籍企業などグローバルレベルで活躍できる人材の育成を目標に、調査・分析・政策立案などに用いる知識・技能を習得する。
都市政策学科では、快適で安全な都市の実現を目指し、建築・設計技術や都市経営政策などに関する知識・技能を習得する。
いずれの学科においても、専門的な研究・教育経験を持つ教員と多様な実務経験を持つ教員の連携によって、学生に問題発見能力と問題解決能力を身に付けさせることを目標としている。
このような教育方針に基づき、学部開設以来、学生には自ら積極的に課題に取り組むアクティブ・ラーニングが浸透している。
2013年4月に神戸三田キャンパスに完成したAcademic Commons(アカデミックコモンズ)はそうしたアクティブ・ラーニングのためのスペースを提供する施設であるが、学生による活発な利用が期待される。
また、多数の学生が在学中に本学の国際教育プログラムを用いて、さまざまな形で留学しているのも特徴的である。
13年度に36名が3カ月以上の留学を、60名が3カ月未満の留学を経験した。
このほかにも、自主的に休学して海外研修を体験する学生も多い。
このような教育理念を実現するために、総合政策学部では多様な入学者選抜の方法を採用し、さまざまな能力・経験と適性を有した学生を受け入れている。
従って、高校での各教科の幅広い学びを期待するとともに、世界の諸問題解決にチャレンジしようとする国際的な展望を持つ人材を求め、一般入試では英語に高い配点を設定している。
〔学生活動〕総合政策学部の学生の活動は活発である。
毎年恒例になっている優秀論文賞(小島賞・安保賞)には優れた内容のものが多い。
また、1998年度から開催されているリサーチ・フェアは学生の研究発表の場として、総合政策学部の学生にとどまらず全学にもオープンにしているほか、99年度からは大学院生も加わり、質量ともレベルの高いものになっている。
現在はさらに他大学や地域の高校生にも門戸を広げて、より幅広い活動を目指している。
さらに、CSI(Computer Student Instructor)やLA(Learning Assistant)、そしてSCS(Student and Campus Supporter)などの学生有志の正課授業や学部行事へのサポートも本学部独自の制度として、学生の自主性、相互扶助の精神を表すものとなっている。
視聴覚・身体などに障がいのある学生への修学支援についても、2000年代前半から積極的に取り組み、ノートテイカー制度の関西学院大学内での整備をリードしてきた。
このほか、東日本大震災の被災地支援や各地のまちづくり実践活動への参加も活発である。
〔研究活動〕総合政策学部研究会を組織して、教員などの研究成果の発表の場として Journal of Policy Studiesを発行し、1995年から2014年4月現在まで45号を発行している。
さらに大学院生の発表の場としてKGPS Review(院生論文集)を発行し、02年から14年4月現在まで20号を発行している。
これまでに総合政策学部として発行した書籍には『国際連合の基礎知識』(2009)、関西学院大学総合政策学部教育研究叢書1『総合政策のニューフロンティア』(2010)、同2『グローバル社会の国際政策』(2011)、同3『人・社会・自然のための情報とメディア』(2012)、KGりぶれっと21『ボーダーをなくすために~視聴覚に障害がある学生への学習支援~』(2008)、同23『基礎演習ハンドブック』(2009)、同27『卒業生が語る総合政策』(2011)、同32『日本の常識、世界の非常識』(2013)などがある。
〔研究科〕1999年度には、大学院総合政策研究科修士課程を入学定員50名で開設した。
2001年度に博士課程後期課程を入学定員5名で開設した。
さらに、より開かれた大学院を目指して、リサーチ・コンソーシアムの名の下に企業・研究所をはじめ官公庁、その他の機関との間で産官学パートナーシップの確立、推進を期して、研究協力および人的交流に向けたネットワークの構築を図っている。
2年目の2000年度には学院創立111周年記念事業として、5月にリサーチ・コンソーシアム総会を開催した。
その後、毎年5月に総会記念事業として開催しているが、13年5月には第15回として、理工学部と共催して「政策学の新たな可能性を求めて~Solution for the future~:先進エネルギー技術と持続可能社会」というタイトルで、講演・シンポジウム・ポスター発表などを実施した。
【参照】Ⅱ 570