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関西学院事典(増補改訂版)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]

『大学とは何か』

 1975年から77年にかけて、関西学院が編集出版した3冊の「関西学院を考える」シリーズの第1集として、75年8月に出版されたもので、副題に「世界の大学・日本の大学・関西学院」と題されたB6判、466ページに及ぶ書物である。
現役、OB・OGの教職員32名の参加による座談会形式をとり、副題にある3部で構成され、各部がいくつかの章を持ち、多くの小見出しに分かれて読みやすい構成になっている。
内容は、世界的に広がった60年代末から70年代前半にかけての大学紛争から、大学を再建するに当たって、学院の過去と現在と未来について語りあい、学院の姿勢を示す情報の発信を意図した。
関西学院関係者をはじめ学外に配布されるとともに、在学生とその後の入学生に数年にわたって配布され、一部は市販もされた。

 このシリーズを学院が編集したのは、1974年の寄附行為の変更により理事長・院長制がしかれ、久山康が就任したことに始まる。
当時の課題は学院財政の再建で、学費改定が急務であった。
しかし大学紛争の余韻が続く困難な状況の中で、何よりも学院全体の展望を示し広く理解を求める必要があり、学院に広報委員会を作ってシリーズ3部作の作成と公表に取り組んだ。
その結果、第2集『私学財政と学院の歩み』(B6判、143ページ)がいち早く75年2月に、当面の学費改定の理解を求めて出版された。
続いて第1集の本書が、最後に第3集『国際交流と大学』(B6判、415ページ)が77年5月に出版された。
これらの出版は、学費改定を実務的に進めるだけでなく、大学関係者、学院関係者に大学のかかえる諸問題を本質に立ち戻って考え、時代の問題を提起するものとして、小さいながらも歴史に刻印するものであった。

【参照】Ⅱ 499

「関西学院を考える」シリーズ

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