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関西学院事典(増補改訂版)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]

高等部文化総部

【E.S.S.】神学部・普通学部で組織されていた1896年公開の「英語会」並びに旧制中学部のよき伝統を受け継ぎ、1948年、高等部発足と同時に創部。
田中太三郎教諭が主任となり、当時1年生の林明男が初代部長となった。
副部長は田島幹雄、宮田満雄が務め、英字新聞The Crescentの発行、クリスマス礼拝の企画などの活動を行った。
林は50年まで毎年県や近畿の高校生英語弁論大会で優勝を果たし、大学進学後、E.S.S.に入部し、52年には全国のマッカーサー杯(現、毎日杯)でも優勝した。
現在も、阪神E.S.S.ユニオンの加盟校として、毎年ユニオン主催のシナリオ・リーディング・コンテスト(8月末)とスピーチコンテスト(2月)などに参加している。

【囲碁・将棋部】1976年発足した将棋同好会から発展し、現在は囲碁・将棋部として活動している。
76年、77年には、将棋の兵庫県高校将棋選手権大会に2チームが出場し、優勝・準優勝を占めている。
また、囲碁の分野では、89年に兵庫県高校囲碁新人大会において、個人戦A組・B組でそれぞれ優勝を果たしている。
その後、部員数は少数であるが活動が継続され、2013年現在、囲碁を中心に全国高等学校総合文化祭県予選(4月)、兵庫県高校囲碁選手権大会(6月)、兵庫県高校囲碁夏期研修会(8月)、近畿高等学校総合文化祭兼近畿選手権予選(9月)に参加するなどの活動をしている。

【映画部】1955年、映画研究部として創部。
長らく活動休止状態にあったが、77年、一瀬隆重らによって活動が再開された。
以後、少人数ながら活動を続け、文化祭で制作作品の発表を行ってきた。
2003年、映画部に名称変更。
06年から始まった高校生映画コンクール「映画甲子園」(NPO法人学校マルチメディアネットワーク支援センター、12年からはNPO法人映画甲子園が主催)にも毎年作品を出しており、07年には「Time Sick」で、08年には「Gretel」で入選を果たしている。

【グリークラブ】1948年、高等部発足と同時に、旧制中学部グリークラブを母体にそれを継承する形で創部。
50年には関西合唱コンクール学生の部(大学・高校同じ部)で他の大学合唱団に肩を並べて4位入賞(3位までは大学)。
高校の部が創設された51年から57年まで関西コンクールで7年連続優勝。
56、57年には2年連続で全国優勝を果たした。
85年頃から一時期、部員数の減少で困難な状況もあったが、99年からは連続で兵庫県合唱コンクール金賞、2001年以降は関西合唱コンクール金賞多数、07、08、12年には全国大会に出場を果たした。
演奏活動も充実し、神戸女学院との合同演奏会(ヘンデルの「メサイア」)も50回を重ねた(50回演奏会で区切りをつけ現在は行っていない)。
また、定期演奏会である「ファミリーコンサート」は2014年度で52回を数える。
その他、年間を通じて学内外での演奏活動は多く、テレビ番組への出演等もある。
同窓会組織としては関西学院高等部グリークラブ同窓会があり、約750名の会員を擁する。

【コンピュータ部】1997年、「学友会インターネット委員会」として活動が始まり、99年には「コンピュータ同好会」となる。
その後も学友会と活動をともにし、2004年からは、毎週火曜日に行われるアッセンブリーを「Visualized Assembly」とすることを目指して、諸報告をノート型PCを用いたプレゼンテーション形式で行うようになった。
また、同年からの文部科学省IT人材育成プログラムやU―20プログラミングコンテストへの参加などの活動が認められ、07年コンピュータ部に昇格した。
現在は学友会ホームページや文化祭パンフレットの作成などで高等部の文化活動に大きな貢献を果たしている。
近年は阪急電鉄・関西学院同窓会協賛の「関西学院上ケ原レールフェア」にも参加し、部員が作ったゲームやスクリーンセーバーなどが高い評価を得ている。

【写真部】正式な創部年は不明だが、新制高等部発足当時にはすでに活動をしていた記録が残っている。
1993年、三木真也の作品が兵庫県高等学校総合文化祭・兵庫県高等学校文化連盟写真部門第2回写真展において特選、94年には兵庫県高等学校写真連盟第2回春季フォトコンテストで特選を受賞した。
なお、この2作品は全国高等学校総合文化祭にも出展され、94年度は入賞を果たした。
その後、2006年に三田英信、10年には冨加見貴之が全国高等学校総合文化祭に出展。
12年には、石川智己・中谷幹・花房諒のチームで第19回全国高等学校写真選手権(写真甲子園)本戦に出場。
初出場で優秀賞(3位相当)を受賞した。

【数理科学部】数学科の宮寺良平教諭が1996年から生徒有志と共に数学研究を始め、これが2012年の数理科学部の誕生につながった。
これまでに発表した論文は、イタリア、オーストラリア、イギリス、セルビア、アメリカ、韓国、日本などで40編が学術誌に掲載されており、そのうち査読論文は33編である。
また、8回の国際学会を含む21回の学会発表を行ってきた。
国際的な高校コンテストにおいては、Canada Wide Virtual Science Fairで2007~13年に7年連続1st prizeを得ており、Google Science Fair 2012ではアジア・オセアニア代表、12、13年にはShing-Tung Yau High School Mathematics Awardsでsemi-finalに出場している。
国内のコンテストでは、07年に全国高等学校理科・科学クラブ研究論文で1位、12年に全国総合文化祭で優秀賞、ジャパンサイエンス&エンジニアリングチャレンジでは08年に文部科学大臣賞(1位)、12年にファイナリスト、13年に審査員奨励賞を獲得している。
また、12年からアップルのiTunesUで数学動画が公開されており、高等部はiTunesUに参加した日本で最初の高校となった。
学校のクラブ活動ではあるが、主な目標を、数学関連の専門的な学会で評価されるレベルの研究を行うことに置いている。

【美術部】旧制中学部時代の「青人会」を始まりとする美術部は、高等部発足の1948年に絵画部となり、90年から再び美術部となった。
創部以来、兵庫県下で最も難関といわれている兵庫県小中高絵画展で多くの入賞者を出してきたが、その中でも43年嘉藤昭三(旧制中学部)、53年真殿宏が最優秀賞、55年中村基、石田忠範、田中嘉之が受賞して団体として学校賞を、78年には東浦哲也、喜多信夫、奥田尚也が受賞して団体として優秀賞を獲得している。
また、78年兵庫県高等学校美術展で東浦哲也が兵庫代表に選ばれ、全国高等学校総合文化祭で入賞している。

【理科部】1982年、それまでの生物部を中心に物理部・電波部が統合され、理科部が創部された。
創部当時から登山や生物調査などのフィールドワーク、各地の博物館や研究施設の見学、文化祭での展示発表を中心に活動を行ってきた。
2011年からは、個人および部全体で取り組むテーマを設定し、学内だけでなく、兵庫県総合文化祭や学外の研究会などでの発表も視野に入れながら研究活動に取り組んでいる。

【文献】『関西学院高中部百年史』1989

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