Education
教育
関西学院の教育とサステナビリティ
関西学院は、1889年の創立以来、キリスト教主義に基づく教育を通じて、「Mastery for Service(奉仕のための練達)」を体現する人材の育成に取り組んできました。関西学院が目指すのは、自らの能力を高めるだけではなく、その力を他者や社会、そして世界のために用いることのできる「世界市民」です。
今日、サステナビリティは環境問題への対応だけでなく、人権、多様性、平和、福祉、共生など、人類社会が直面する幅広い課題への取り組みを意味しています。関西学院では、幼稚園から大学・大学院までのすべての院内校において、キリスト教主義教育を基盤としながら、持続可能な社会の担い手を育成する教育を展開しています。これはSDGsが誕生する以前から受け継がれてきた関西学院の教育そのものと言えます。
1.キリスト教主義教育が育む「持続可能な社会の担い手」
関西学院のキリスト教主義教育は、「隣人を愛し、自らを社会のために役立てる」という価値観を大切にしています。この考え方は、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念とも深く響き合います。礼拝や聖書教育、日々の学校生活を通じて、他者への共感や責任感、多様な価値観を尊重する姿勢を養い、持続可能な社会を支える人格形成を目指しています。
2.青島キャンプに見る「自立と共生」の学び
関西学院中学部では、60年以上にわたり岡山県瀬戸内市沖の無人島・青島でキャンプを実施しています。青島キャンプは単なる野外活動ではなく、人間形成を目的とした関西学院独自の教育プログラムです。
島には電気やガス、水道がなく、生徒たちはテント設営、炊事、共同生活を自ら行います。その中で、
限られた資源を大切に使うこと
自然の恵みへの感謝
仲間との協力
他者への思いやり
自立と責任
を体験的に学びます。
また、大学生リーダーや卒業生が後輩を支える伝統は、世代を超えた学びの循環を生み出しています。これはサステナビリティが重視する「コミュニティの持続性」や「次世代への継承」の実践そのものと言えるでしょう。
3.自然との共生を学ぶ体験教育
関西学院では、中学部の青島キャンプだけでなく、千刈キャンプをはじめとする自然体験活動が長く実施されています。こうした活動では、自然と向き合う中で人間と環境の関係を学びます。
現代社会では便利な生活が当たり前になっていますが、自然の中で生活する体験を通じて、生徒たちは水や食料、エネルギーの大切さを実感します。環境問題を知識として学ぶだけではなく、自らの生活と結び付けて理解することは、持続可能なライフスタイルを考える第一歩となります。
4.幼稚園から大学まで続く世界市民教育
関西学院では、院内校それぞれの発達段階に応じて、「自分だけでなく他者や社会のために行動する力」を育んでいます。
幼稚園や初等部では思いやりや感謝の心を育み、中学部・高等部では共同体の中での責任や奉仕を学びます。大学ではSDGsやGX(グリーントランスフォーメーション)、国際協力、人権、地域課題などをテーマにした専門的な学びへと発展し、社会課題の解決に取り組む人材を育成しています。
このように関西学院のサステナビリティ教育は、一つの授業や特定のプログラムではなく、幼稚園から大学院までを貫く教育理念として展開されています。
5.「Mastery for Service」を未来につなぐ
関西学院が目指すサステナビリティとは、単に環境負荷を減らすことではありません。人と人とのつながりを大切にし、多様な人々が共生できる社会をつくり、未来世代へより良い社会を引き継ぐことです。
日々の礼拝、ボランティア活動、国際交流、研究や社会連携——これらすべてが、「Mastery for Service」を実践する学びとして結び付いています。
関西学院のサステナビリティ教育は、SDGsの実践にとどまらず、130年以上にわたり受け継がれてきた教育理念そのものを未来へ発展させる取り組みなのです。
サステナビリティ関連科目
関西学院大学では、持続可能な社会の実現に向けて、SDGsに寄与するさまざまな教育を全学体制で展開。社会課題を自分ごととして捉え、解決に向けて行動する力を育んでいます。
PBL特別演習012【グリーン・イノベーション】
2023年度春学期より開講。本学で初めて脱炭素をテーマに設定した本科目では、グリーントランスフォーメーション(GX)に関する基礎的な学習に加え、脱炭素事業に取り組む企業の現場を訪問し、様々なステークホルダーと意見交換を行うことで、GX人材に求められる多角的な視野と基礎的な理解を養います。
授業は、一般社団法人『Green innovation』の理事・共同代表の坂野晶氏らが担当。坂野氏は、学生時代に本学総合政策学部で環境政策を専攻し、卒業後も本学の関連活動に積極的に関わっています。
SDGsスタディーズ入門
関西学院大学は国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG-UP)に参加しており、「SDGsスタディーズ入門」はその取り組みの一環として本学学生を対象に2023年度より正課授業として開講しています。授業ではSDG-UP参加大学が提供する教材を積極的に活用しており、サステナビリティに関する広い知識を身につけるとともに、SDGsの社会的、経済的、環境的、ガバナンス的側面の有機的関連性を見る視座や自主的かつ協調的に考える力を養います。
「サステナビリティ」副専攻プログラム
現代社会は、環境問題、社会的課題、経済活動の持続可能性などが複雑に絡み合う状況に直面しています。こうした多様で複合的な課題に対応するためには、単一の専門分野にとどまらない、広い視野と実践的な知識が求められます。関西学院大学では、こうした社会的要請に応えるため、複数分野専攻制(Multidisciplinary Studies)の一環として「サステナビリティ」副専攻プログラムを設置しています。本プログラムは、持続可能な社会の実現に向けて主体的に行動できる人材の育成を目的とし、SDGsの理念を軸に据えた体系的な学びの機会を提供するものです。
「サステナビリティ」副専攻プログラムは、まとまりのあるカリキュラムに基づき複数分野の科目を計画的に履修することで、体系的に持続可能性に関する理解を深めていきます。
1 .選択必修1「環境分野」
気候変動や資源問題などの環境課題を理解し、自然と共生する持続可能な社会の基盤を学びます。
2 . 選択必修2「社会分野」
貧困や格差、多様性といった社会的課題に目を向け、人と人が支え合う社会のあり方を考えます。
3 .選択必修3「経済分野」
経済成長と社会・環境の両立を学び、持続可能なビジネスや意思決定のあり方を学びます。
4 . 選択必修4「国際分野」
世界のつながりと国際的課題を理解し、グローバルな視点で行動できる力を身につけます。
人権教育
関西学院大学では、1970年代から人権教育に取り組み、部落差別、在日朝鮮人、ジェンダー、障害、外国人、セクシュアリティなど、社会の変化とともに幅広い人権課題を教育・研究の対象としてきました。
現在は、さまざまな差別や社会課題を「人権」という普遍的な視点から捉え、多様な人々が互いの尊厳を認め、ともに生きる社会について考える教育を推進しています。人権教育研究室を中心に、人権教育科目の開講、研究会・講演会の開催、研究誌や啓発冊子の発行など、多角的な取り組みを展開しています。
国連機関への派遣プログラム
関西学院は長きにわたり、国連・国際機関と連携した活動を展開しています。
ニューヨークの国連本部で実施する「国連セミナー」を1997年に開始以降毎年実施しているほか、途上国の国連機関、外交機関、NGO等を対象フィールドとする仮説検証型フィールド・リサーチプログラム「国連・外交フィールドワーク」や、国連・国際協力分野・SDGsについて体系的に学びたい学生のための副専攻「国連・外交プログラム」など、関学ならではの国連関連の学修機会を提供しています。
(本学2年生以上対象)
(本学1~4年生対象)
(学部副専攻プログラム)